海外スタディ・ツアー(2017年)の続きです。これまではこちらから。

 

・9月2日(土)

AL AZHAR大学日本語学科様と交流



ジャカルタ市内にあるイスラム系の私立大学、アル・アズハル大学の日本語学科様を2年ぶりに訪問しました。日本語を学ぶ9名の学生さんと交流しました。まずは、Visiaty Arianti(アンティ)先生からご挨拶頂き、私からも一言、そして我らが日本代表の4名が自己紹介の後、いよいよ最終日にして最大のイベントがスタートしました。


プレゼンのお題は「日本の子どもの貧困」について。学歴が生涯年収を左右する日本社会の中にあって、政府の公的支出に占める教育費がOECDの中で最も低く(=教育に国がお金を使っていない)、よって各家計に占める教育費の割合が高い(=教育は家庭任せ)。

 

さらには、6人にひとりの割合で相対的に貧困な子どもが存在し、子どもの貧困が社会問題になりつつあることを説明し、八王子つばめ学習塾を筆頭に、全国に無料学習塾がここ数年で多数立ち上がり、関西でも「つばめ」を冠する学習会が急速に広がりつつあり、メディアにも取り上げられるようになりました。

 

というような内容を説明した後、宝塚つばめ学習会の概要を説明したんですが、そもそも「ボランティア=無償」という文化がインドネシアにはあまりなく、一部の貧困地域で行政が無料で勉強を教えているところはあるものの、「大学生がボランティアをする」というのがとても新鮮だったよう。

 

「なぜわざわざボランティアをするのか?」「大学を卒業して働きだしてもボランティアをするのか?」など、たくさんの質問を投げかけてくれました。約2時間がっつりディスカッションをした最後に、「とても興味深い、素晴らしい活動なのでぜひ続けてください」とみなさんからエールを頂き、そのお返しに「もしジャカルタでみなさんが無料塾を始める際は、ぜひ『ジャカルタつばめ学習会』にしてください」とお願いしておきました(笑)。



真面目な話が終わったところで、今日本で一番人気の「お笑い」を紹介しますと、ブルゾンちえみならぬ「ブルゾンあさかwithB」が登場。2時間のディスカッションの疲れを微塵も見せず、3人が見事にやり切ったところ、もうやんややんやの大歓声。「もう1回見たい!アンコール!」と。ご期待に応え、再演。

 

ここで我らが演出監督は、英語字幕がついた映像を後ろで流しよりネタを分かりやすくし、ブルゾンにも映像が見えるようにパソコンを置く、何とも粋な計らい。同じテンションでやり続ける3人と、抜かりない万全なサポート。もう将来の日本は安泰だなと思いながら、眺めていました。


最後に、2グループに分かれ約1時間ほど、情報交換を。さすがに日本に興味を持っている学生さんたちばかりで、中には「好きな日本人は小津安二郎と黒澤明」という強者も(笑)。特に「関西弁を喋って」と言われ、4人とも地方からの下宿生のため返事に窮するなど、面白い場面の連発、和やかな雰囲気で交流が終了しました。

グランド・インドネシア


アズハル大学を後にし、市内最大級のショッピングモール「グランド・インドネシア」に。最後の最後に、日本食を。板長寿司で各々好きなものを食べました。大仕事を終え、今夜帰国、1時間しか寝ていないし(笑)、ホッとした様子がうかがえます。


日本へのお土産を買いに、ALUN ALUN(アルンアルン)へ。それほど安くはないですが、伝統的なものからこ洒落れたものまで、品ぞろえ豊富に置いてあるので、いつもここに来ています。


少し時間が余ったので、ふたりをマッサージに。そしてwithBのふたりは散髪に連れていきました。はい、ビフォー・アフターです。當内くんから(写真左)は「時間があったら散髪に行きたい」と言われていて、渡航前に散髪に行ってた森田くん(写真右)を道連れに。「ジャカルタスタイルにして」というリクエスト通りになりました。

帰路に


21:25 ジャカルタ・スカルノハッタ国際空港発 ~ 

・9月3日(日)

06:50 羽田空港着(NH856)

09:00 羽田空港発 ~ 10:05 伊丹空港着 ~ 解散

 

参加メンバーのレビュー

【設問】

①なぜ海外スタディ・ツアーに参加しましたか?

②自分の価値観に変化はありましたか?

③何か課題は見つかりましたか?

④現地でお会いした人で一番印象に残った人とエピソードを教えてください

⑤インドネシア・ジャカルタの印象を教えてください

⑥ツアー中のお気に入りの写真1枚とエピソードを教えてください

⑦現地の食事・食べ物はいかがでしたか?

⑧海外スタディ・ツアー全体のアテンドはいかがでしたかか?

⑨次はどこに行ってみたいですか?

⑩最後に一言お願いします

當内拓海さん

①インドネシアに行くことは、今後の自分の人生でないことだろうなと思ったから。

 

②オーストラリアに行ったときにも思ったが、積極的に行動しないことには何も始まらないと改めて感じた。

 

③自分は行動に移すまでに時間がかかる(気持ちがついていかないなあ、とか、リスクがあるよなあ、めんどくさいなあなど)ので、時間を無駄にすることがあるので、やろうと思ったら即行動、ができるようにしたい。

 

④関学のOBの方に出会えたことは大きかった。個人の偏見で、海外に出るためにはそれなりの学歴がないと行けないと思っていたが、自分がいかにどうやって前に進むのかを考えるべきだなと思った。

 

ただ、話の内容的に一番興味があったのは、見市准教授とのお話でした。前日に、インドネシア警察が交番や駐在所を作って市民に親しみやすい環境づくりをしているとの話を聞いていたのに、ある地域では完全に機能していなかったために紛争が起こったこと。賄賂やチップを要求している警察もおり、まだまだ完全ではないと思った。

 

また、インドネシア人は幸福度が高いという話も興味深かった。もちろん、より発展していくことの方がいいに決まってはいるが、だからといって今の現状に幸せを感じてる人も少なくないことが分かり、今まで「発展していない地域=貧困で不自由で不幸せ」という自分の中での固定観念が崩れ落ちた。「発展していない=貧困→だけど飯食えることだけで幸せを感じる(イタリアンレストランのお姉さんとのお話も含めてですが)」という僕にない考え方が新鮮だった。

 

2月頃見市さんが関学で講義をなさると聞いたので、ぜひとも参加したい。

 

⑤高度経済成長期の日本という印象

 

⑥パン屋の女の子と写真を撮れたこと。連絡先を交換したかった…(もう一度インドネシアに行って、連絡先をおしえてもらうことを本気で考えています(笑))

 

⑦正直、毎日は食べられないなと思った。美味しいけど、やっぱ和食が一番と思いました。あとは、水ですね。多分、水のせいで腹痛に苦しんだと思うので…。やっぱ日本の水っていいなと思いました(笑)。

 

⑧皐月さんのことですよね?非常に頼もしかった。心強かったので、インドネシア旅行を最後まで楽しめました。ありがとうございました!。

 

⑨イギリス。ビッグベンを見に行きたいし、ホームズの記念館にも行きたいし、キャサリン妃を一目見たい(笑)。

 

⑩貴重な経験をありがとうございました!

鍋嶋亜佐伽さん

①「インドネシア」という国に興味があったから。何か就活や今後のキャリアを考える上で活かせる体験ができると思ったから。

 

②日本の企業が海外進出すると聞くと、そのまま日本のやり方を海外に広げていると思っていましたが、その国に合うように工夫や調整をしていることを知ることができ、海外進出についての考えが変わりました。

 

③自分のやりたいことに対してもっと突き詰め、積極性を持たないと海外はもちろん、日本国内でも通用しないと思いました、この二つが今後の課題です。

 

④弦月会の方々と食事会をさせた頂いた中で、日本人が誇れるもの、強みについてのお話がとても興味深かったです。現地で働かれている方々のリアルな話を聞けて、とてもわくわくしました!。今後、どこにいても日本人としての良さ、強みを生かして活動していきたいです。

 

⑤とにかく交通量がすごく、渋滞に驚きました。その渋滞で止まっている車の人に、歌を歌ったり、物を売ったり、交通整備をすることでチップをもらう人をたくさん見かけ、日本にはない活気がとても印象的でした。

 

⑥アズハル大学でプレゼンをする際、余興としてブルゾンちえみwithBをした時の写真です。プレゼンをする3日前くらいにやることが決まったので当日はぐだぐだでしたが、学生のみなさんに笑って頂き、いい思い出になりました(笑)。これを機に、ジャカルタでもブルゾンちえみが流行ってくれたらうれしいです(笑)。

 

⑦とても美味しかったです!ナシゴレンやミーゴレンなど日本と馴染み深い料理や、サトウキビジュースなど初めて見るものもありました。ただ辛めの料理を食べる際には強い覚悟と大量の水を用意するべきでした(笑)。

 

⑧とても内容が濃く、充実したスケジュールでした!トラブルなど何もなく、学習の合間には観光にも行けてとても楽しかったです!

 

⑨専修がドイツ文学ということもあり、ドイツにはぜひ行きたいです!またカンボジアなど他のアジア圏にも行ってみたいです。

 

⑩この研修を企画、アテンドしてくださった皐月さんに、本当に感謝しています。研修を実行してくださった皐月さんを始め、現地の方々の多大なるご協力、一緒に活動したメンバー、アドバイスや応援をしてくださったリーダーズカフェの皆様、援助してくれた両親、たくさんの方々のおかげでとてもよい経験をすることができました。本当にありがとうございました。

 

この研修で学んだことを生かし、やりたいと思っていることに挑戦していきます!

 

森田悠斗さん

①自分の世界を広げるためです。

 

②そのような変化はなかったです。

 

③もっと世界を知ろうと思いました。親が学生のうちに海外に行くべきというのがよく分かりました。

 

④日本の警察の方々です。日本とインドネシアの架け橋となる重要な職務を背負って日々指導をしていることや、今インドネシアで起こっている市民と警察の問題を聞いたりなど、とても面白く勉強になりました。

 

⑤とにかく車が多いということと、フレンドリーな人が多いと思いました。

 

⑥日本警察とインドネシア警察を交えての写真です。警察学校での指導や技術支援などの活動や市民に対する考えなどの話が聞けて、警察志望の自分にとってはいい刺激となりました。

 

⑦辛いものが多いという印象がありますが、一番はサトウキビジュースです。日本のよりも甘く感じられました。

 

⑧とてもよかったです。

 

⑨観光ならイタリアかスウェーデン。勉強ならドイツです。

 

⑩今回の研修で自分の世界を広げることができた、というよりも一回り成長することができました。今後はより海外に目を向けて、生活しようと思います。

矢儀丈博さん

①大学の授業で、インドネシアでは多くの宗教が平和的に共存していると学んだ。それを実際に見てみたいと考え、研修旅行に参加した。

 

②たくさんの人と出会い、お話させて頂く中で、自分は典型的な現代っ子のように「自分は無力で大それたことは何もできない」「『意識高い』は悪!」と、心のどこかで思っていたことが分かった

 

その上で「自分も何か大きなことができるかもしれない」「意識が高くて何が悪い」と考えられるようになった。

 

③自分の考えをシンプルな言葉で、的確に言い表し、きちんと相手に伝えること。また、パワーポイントスライドの「分かりやすさ」を追求すること。

 

④関学同窓会のおひとり。新聞社に入社することを目指し大学生活を過ごしながら、就活がきっかけで「商社面白そうだな」と思い、実際に商社に就職されたエピソードに驚いた。「就活は自分を見直す良い機会」「その経験の価値はあとから分かってくるもの」「不安なことも、やってみたら意外と楽しい」など、多くのことを学んだ。ほかにも「こんな大人になりたい」と思える人にたくさん出会えた。

 

⑤ジャカルタは都会だった。しかし、少し郊外に出ると「田舎」という言葉では言い表せないような貧困地域で、格差の存在が目に見えて分かった。

 

「インドネシアは日本に比べ経済格差が小さい」というプレゼンデータを携えてインドネシアの地を踏んだが、そんなことはないと分かった。不本意ながら、百聞は一見に如かずという言葉を体現した形となった。

 

⑥コピ・ルワック。衝撃的なおいしさ。

 

⑦辛かったが、美味しかった。もう少し野菜が欲しかった(ヤギ的にw)。

 

⑧最高でした。皐月さんに感謝です。

 

⑨個人的にはアメリカかドイツ。研修旅行的にはラオス。シンガポールと中国を結ぶ中継点として今アツいらしい。

 

⑩「とりあえずやってみること」が本当に重要だと改めて感じた。少しでもやってみたいという気持ちがあるのであれば、やってみる。難しいことではあるが、これから常に心掛けていこうと思う。

最後に・・・

帰国後約10日間経ち、2年ぶり2度目となった海外スタディ・ツアーの旅行記を書き終えようとしています。

 

ジャカルタに滞在している間ももちろん楽しかったですが、やはり引率者として気が張っていたところが少なからずあった。前回はふたりだったが、今回は倍の4人(これ以上は絶対無理だと学習した)、しかも女子がひとり(これは本当に幸運だった)。サッカーのゴールキーパー的には、4トップのフォワードにひとりで対峙している感じ。しかもひとりは195㎝(笑)。まあ、学生4人は間違いなく敵ではないので、感覚としては違う部分もあるが、とにかく失点だけは許されないと、頭だけは働かせていました。

 

それからすると、この10日間。無事に帰国できた状態で、みんなで撮った852枚の写真を眺めながら、様々な方とお会いしたこと、全く余裕がなかった駐在時代に行けなかった場所に行けたことなど、思い出しながら書いていた今の時間は、現地に滞在していた時とは全く違う至福のひと時でした。

 

 

今回のスタディ・ツアーについてひとつだけ挙げると、「旅行の充実は一緒に行くメンバーに懸かっている」と感じたことです。

 

どこに行くか?、誰とお会いするか?、何をするか?などももちろん大事ですが、それもこれも「一緒に行くメンバー次第」だなと。

 

そういう意味では、今回の学生4人はパーフェクトでした。

 

別に選抜したわけでもなく、行きたいという子を連れて行っただけなのですが、基本的な集団行動ができる、大人との会話もそつなくできる、笑いもとれる、面談を重なるごとに質問力が増す、感受性が豊かで冷めた感じがない、何でもよく食べる、疲れを顔に出さない、若者らしい明るさもある。

 

腐心していたのは、安全・安心・体調管理・スケジューリングなどについてであって、4人に対しては何のストレスも感じませんでした。

 

普通、4人もいたらひとりくらい、本人に悪気はなくても、うまく立ち回れない子がいそうな気がしますが、今回は全くなかった。

 

まあ、安くないお金をねん出して参加するくらいなので、意識が高い子が揃ったのかもしれません。

 

全員が地方から進学の下宿組だから?、宝塚つばめ学習会でみんな講師ボランティアをしているから?、いや、それだけではないと思うんですよね。

 

個人的には、インドネシアのジャカルタという赤道直下に位置し、若く活気のある新興国が、彼ら彼女らに合ったからでは??と結論付けています。

 

 

次回の海外スタディ・ツアーは2年空けず、来年行きたいと思っています。

 

みんなのレビューを読むと、スタディ・ツアーに行く意味は十分あると感じているし、有難いことに「来年もぜひ学生さんを!」と言ってくださっている現地の方々も少なからずあります。

 

次回の場所も、やっぱりインドネシアですね。

 

今回で2回滞在して、かなり経験も積めたし、人脈もできました。私の経験を生かせるということからも、しばらくはインドネシアに行きます。

 

ただ、今回の参加メンバーが来年も行けるように、来年は「ジョグジャカルタの世界遺産(ボロブドゥールとプランバナン遺跡)ツアー」とジャカルタ滞在を半分づつにしようと考えています。

 

ちょうど、8月はアジア大会がジャカルタ(とパレンバン)で開催されるので、サッカーでも観戦できたら最高だなと、夢は広がります。

 

 

来年はどんなメンバーと行けるかどうか分かりませんが、今回の充実度を上回る研修旅行をちょっと想像できません。それくらい素晴らしい時間でした。

 

参加してくれた4人のメンバー、渡航をサポートしてくださった4人のご家族、現地でお世話になったみなさん、そして気持ちよく送り出してくれた妻をはじめ私の家族にお礼を申し上げ、2017年インドネシア・スタディ・ツアーの旅行記を終了とさせていただきます。

 

 

2017年9月13日

ラジオから流れてくるGreatest Love of Allを聴きながら

皐月秀起

 

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